訪問看護ステーション数の全国分布と特徴

訪問看護は、看護師が利用者の自宅を訪問して医療的ケアを提供するサービスです。在宅医療の中核を担い、病院から在宅への移行、在宅療養の継続、看取り支援において重要な役割を果たしています。

本記事では、訪問看護ステーションの全国的な分布傾向と特徴を解説します。

サービス種別ランキングでの訪問看護の位置

介護サービスの種別ごとの全国事業所数を見ると、訪問看護もランキングの上位に位置しています。

順位サービス種別施設数
1訪問介護34,803
2居宅介護支援(ケアマネ事業所)30,287
3通所介護(デイサービス)22,815
4訪問看護17,835
5地域密着型通所介護17,349
6グループホーム14,156
7特別養護老人ホーム8,525
8福祉用具貸与6,718
9短期入所生活介護(ショートステイ)6,208
10小規模多機能型居宅介護5,067
11有料老人ホーム4,467
12介護老人保健施設4,116
13訪問リハビリテーション3,690
14介護医療院2,749
15地域密着型特養2,539

訪問看護ステーションの数は近年急速に増加しており、在宅医療ニーズの高まりに応える形で全国に広がっています。

訪問看護ステーションの特徴

都市部中心の分布

訪問看護ステーションは看護師の確保が前提となるため、看護師の労働市場がある都市部に集中する傾向があります。地方では看護師不足により開設・維持が難しい地域もあり、地域格差が課題となっています。

運営主体の多様化

かつては医療法人運営が中心でしたが、近年は株式会社・NPO法人・社会福祉法人など多様な主体が参入しています。大手事業者によるチェーン展開も進んでおり、訪問看護業界の構造が変化しています。

24時間対応の体制

多くの訪問看護ステーションは24時間対応の緊急訪問体制を整えています。「緊急時訪問看護加算」を算定する事業所は、夜間・休日でも必要に応じて訪問できる体制を持っています。

訪問看護の主なサービス内容

健康状態の観察

バイタルサイン測定、症状観察、服薬状況の確認など、健康状態の把握は訪問看護の基本業務です。早期の変化を察知し、主治医に報告することで重症化を防ぎます。

医療処置

  • 点滴管理
  • 注射
  • 褥瘡処置
  • カテーテル管理
  • 人工肛門・膀胱ケア
  • 吸引
  • 酸素療法管理
  • インスリン注射

これらの医療的ケアは、看護師が実施することで在宅療養が可能になります。

療養相談と指導

本人・家族への療養指導、服薬指導、リハビリ指導も訪問看護の重要な役割です。家族介護者の不安軽減にもつながります。

ターミナルケア

末期がんや終末期の在宅療養では、訪問看護が中心的役割を果たします。疼痛緩和、症状管理、家族支援、看取りまでの一連のプロセスを支援します。

リハビリテーション

訪問看護ステーションには看護師だけでなく理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が配置されている場合があり、訪問リハビリを提供することもあります。

介護保険と医療保険の両方で利用可能

訪問看護は介護保険と医療保険のどちらでも利用できる特殊なサービスです。

  • 介護保険:要介護・要支援認定を受けた方が、ケアプランに基づいて利用する場合
  • 医療保険:末期の悪性腫瘍、厚生労働大臣が定める疾病(ALS、パーキンソン病など)、急性増悪時の特別指示書による訪問など

利用目的や状態によって適用される保険が変わるため、訪問看護師やケアマネジャーに確認します。

訪問看護を利用するメリット

通院困難な方への対応

通院が困難な方でも自宅で医療的ケアを受けられることは最大のメリットです。体力的な負担を減らしながら、継続的な医療管理が可能になります。

家族の安心

医療専門職が定期的に訪問することで、家族の安心感が大きく高まります。「何かあったら相談できる」という存在は、在宅介護を継続する上で重要な支えです。

早期の異常発見

看護師は症状の変化に敏感で、早期に異常を発見できます。これにより重症化や入院を防げるケースが多くあります。

看取りの選択肢拡大

在宅での看取りを希望する方にとって、訪問看護は不可欠なサービスです。訪問診療との連携により、自宅での最期を選ぶ選択肢が広がります。

利用時の注意点

訪問可能エリアの確認

訪問看護ステーションには訪問可能エリアがあります。遠方の事業所は利用できない場合があるため、事前に確認します。

主治医との連携

訪問看護は主治医の指示書に基づいて実施されます。主治医がいない場合、まず在宅医療に対応する診療所を探す必要があります。

費用の目安

訪問看護の費用は介護保険・医療保険・所得区分により異なります。ケアマネジャーや訪問看護師に確認して、負担額の見通しを立てます。

関連記事

  • 訪問介護事業所数 都道府県ランキング
  • デイサービス事業所数 都道府県ランキング
  • 全国の介護施設数ランキング
  • 地域包括ケアシステムにおけるケアマネジャーの役割

出典

  • 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)

コメントする