特養の費用は月額6万〜15万円が目安です。有料老人ホーム(月額15万〜30万円)と比べると半額近く抑えられ、入居一時金もかかりません。ただし、居室タイプや所得によって金額は大きく変わります。
この記事では、特養の自己負担額の内訳と、低所得者向けの軽減制度をまとめます。
月額費用の内訳
| 費用項目 | 多床室(相部屋) | ユニット型個室 |
|---|---|---|
| 介護サービス費(1割負担) | 約2万〜2.7万円 | 約2万〜2.7万円 |
| 居住費 | 約2.5万円 | 約6万円 |
| 食費 | 約4.2万円 | 約4.2万円 |
| 日常生活費 | 約0.5万〜1万円 | 約0.5万〜1万円 |
| 月額合計 | 約9万〜10万円 | 約13万〜14万円 |
※ 要介護3・1割負担の場合の概算。施設や地域により異なります
最も大きな差が出るのは居住費です。多床室(2〜4人部屋)なら月約2.5万円ですが、ユニット型個室になると月約6万円。プライバシーを重視するか、費用を抑えるかで選択が分かれます。
介護サービス費は要介護度で変わる
介護サービス費は要介護度が上がるほど高くなります。1割負担の場合、要介護3で月額約2万円、要介護5で月額約2.7万円程度です。一定以上の所得がある方は2割または3割負担になるため、自分がどの負担割合に該当するかを事前に確認してください。
負担軽減制度 — 知らないと損をする
特定入所者介護サービス費(補足給付)
所得と預貯金が一定以下の方は、居住費と食費が大幅に減額される制度です。利用者負担段階は4段階に分かれ、第1段階(生活保護受給者等)であれば居住費・食費が合わせて月額約2.5万円まで軽減されます。
| 段階 | 対象 | 居住費(ユニット型個室) | 食費 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者・老齢福祉年金受給者 | 月額 約2.5万円 | 月額 約0.9万円 |
| 第2段階 | 年金収入等80万円以下 | 月額 約2.5万円 | 月額 約1.2万円 |
| 第3段階① | 年金収入等80万〜120万円以下 | 月額 約4万円 | 月額 約2万円 |
| 第3段階② | 年金収入等120万円超 | 月額 約4万円 | 月額 約3万円 |
※ 預貯金の上限額あり(段階により500万〜650万円以下等)
申請は市区町村の介護保険窓口で行います。認定されると「介護保険負担限度額認定証」が交付され、施設に提示するだけで減額が適用されます。対象になるかどうかわからない場合は、窓口に相談してみてください。
高額介護サービス費
1ヶ月の介護サービスの自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。住民税非課税世帯の場合、上限は月額24,600円。これを超えた分は申請すれば還付されます。
社会福祉法人等による利用者負担軽減制度
一部の社会福祉法人が運営する特養では、居住費・食費・介護サービス費の自己負担を25%(老齢福祉年金受給者は50%)軽減してもらえる制度があります。すべての施設で使えるわけではなく、制度に参加している法人に限られます。
特養の全国データ
全国の特養は特別養護老人ホーム8,525施設、地域密着型特養2,539施設。平均定員は62名。都道府県別では東京都(625施設)、大阪府(581施設)、千葉県(552施設)が上位を占めます。
出典: 厚生労働省オープンデータ(2025年12月末時点)を介護施設ナビが集計
まとめ — 制度を使えば負担は抑えられる
特養の費用はもともと低めですが、負担軽減制度を活用すればさらに抑えることができます。特に補足給付は対象者が多いにもかかわらず、知らずに申請していない方も少なくありません。入所が決まったら、市区町村の窓口で負担限度額認定の申請を忘れずに行ってください。